TCFD(気候関連財務情報開示
タスクフォース)とは
TCFDとは、G20から要請を受けた金融安定理事会(FSB)が、気候関連の情報開示をどのように行うかを検討するために設立した「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」のことを指します。TCFDは2017年に最終報告書を公表し、企業に対して気候変動関連リスクおよび機会に関する4つの項目について開示することを推奨しています。
芝浦電子グループは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の趣旨に賛同し、
推奨されている体制の整備と気候関連の情報開示に適切に対応していきます。
ガバナンス
芝浦電子グループは、気候変動への対応を含む全社的なサステナビリティをめぐる取り組みを検討、推進する組織として、2021年11月に取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置しました。
気候変動に関する基本方針や重要事項は代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会で審議し、取締役会に助言・提言することで、取締役会の監督が適切に図られるガバナンス体制を構築しています。
戦略
芝浦電子グループは、気候変動の影響を捉えるため、気温上昇1.5℃シナリオを用いてリスクと機会の評価を行いました。リスクと機会は下記の通り認識しています。
リスク
<物理的リスク>
洪水や台風などの災害発生により、当社グループ製造拠点の操業及び販売活動に影響を受けるリスクがあります。
<移行リスク>
再生可能エネルギーの利用による電力料金の増加リスクがあります。
政府の環境規制の強化により、生産拠点のある日本、タイ、中国で炭素税の導入による税負担増加が考えられます。
<コストシミュレーション
1.5℃シナリオ 当社試算による>
2030年の コスト増加 (2021年比) |
7.6億円 |
1.5℃シナリオは、当社グループが2030年に二酸化炭素排出量を2021年比25%削減するものとして試算しました。また、この間の当社グループの売上高も一定程度拡大するものとしています。
1.5℃シナリオでは、再生可能エネルギーをもとにした電力調達による電力料金のコスト増加と、炭素税の導入を想定しています。
再生可能エネルギーによる電力調達について、当社グループの電力調達の予定をもとに、火力発電による電力料金に比べて5%程度上がるものとして試算した結果、約6.6億円のコスト増加となります。
炭素税についてはIEA(国際エネルギー機関)が公表しているトンCO2あたりの炭素税(先進国63ドル、途上国で43ドル)をもとに試算した結果、約1億円の負担となります。
この結果、1.5℃シナリオにおける2030年のコスト増加は約7.6億円と試算しました。
機会
気候変動への対応が世界的に広がることで、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HEV)などの環境対応車が現在よりも普及することや、省エネ家電製品などの需要が高まることが予想されます。
これらの製品に搭載される当社の温度センサの売上増加の機会が考えらえます。
こうした機会の、当社の売上高や利益への具体的な効果は、中期経営計画などで発表していきます。
リスク管理
芝浦電子グループは、気候変動に伴うさまざまなリスクと機会を事業戦略上の重要な点として認識しています。
サステナビリティ委員会がリスクと機会の分析及び評価を行い、取締役会が監督することで、適切なリスク管理体制を構築しています。
指標と目標
芝浦電子グループは脱炭素社会の実現に向け、2050年でのカーボンニュートラルを目指して、二酸化炭素排出量削減の長期目標を策定しました。電力使用の節約、再生可能エネルギーをもとにした電力の調達などにより、目標達成に努めます。
指標 |
2021年二酸化炭素排出量 22,574トン
直接排出量(スコープ1)と
エネルギー起源間接排出量(スコープ2)の合計
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目標 |
2050年に二酸化炭素排出量を実質ゼロにする
2030年に2021年比二酸化炭素排出量を25%削減
2040年に2021年比二酸化炭素排出量を50%削減
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